映画を通して、ひきこもりの方や家族の気持ちに寄り添う「ひきこもり映画祭 in ヨコハマ 2024」

(出典:横浜市 プレスリリース

映画を通して、ひきこもり状態にある方や家族の思いに触れるイベントが、2024年1月19日(金)に横浜市役所で開かれます。

私たちが暮らす社会には、複雑な事情でひきこもり状態にある方々がいます。ひきこもりは、誰にでも、どの家族にも起こりうるものです。

今回行われる「ひきこもり映画祭 in ヨコハマ 2024」は、引きこもりの背景や悩みに寄り添う映画を鑑賞することで、こうした方々への理解を深められる貴重な機会になっています。

ひきこもりとは?

ひきこもり状態にある人は、全国に146万人いると推計されています。この人数の多さに驚いた人も少なくないでしょう。

厚生労働省の定義によると、ひきこもりとは「様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」とのこと。

つまり、何らかの事情で人間関係をもたず、家の中に居続けている方々をいいます。その原因は、家族や職場での人間関係、心の不調、病気・障害、いじめやDVなどさまざまなものがあります。

ひきこもりとは、本人に非があるわけではなく、自分の身を守るためにやむを得ず起きる現象であり、言葉にならない孤独や無力感にさいなまれているのです。

国も、ひきこもりは深い社会問題のひとつと捉えており、全国に相談窓口を設けたり、「ひきこもり支援ポータルサイト」で情報発信をしたりしています。また、横浜市にも、健康福祉局生活福祉部ひきこもり支援課があり、相談窓口やさまざまな支援を用意しています。

映画を通じて、思いに寄り添う

ひきこもりの方やその家族の思いに寄り添うきっかけとして、横浜市によって開催されるのが「ひきこもり映画祭 in ヨコハマ 2024」です。

今回上映される映画は2本。いずれも無料で鑑賞できます。

1本目は、2020年に放映されたNHKスペシャル「ドラマ こもりびと」(上映時間75分)。松山ケンイチさんが主演、その父親役を武田鉄矢さんが演じます。以下、作品の紹介です。

10年以上ひきこもり生活を送る倉田雅夫(松山ケンイチ)。重いストレスを抱え働けなくなったことがきっかけだった。厳格な父・一夫(武田鉄矢)は元教師。地元でも尊敬を集める存在だが、雅夫の存在を世間から隠し、立ち直らせることも諦めていた。しかし、自らの余命宣告を機に、最後にもう一度息子と向き合うことに。一方の雅夫は、閉ざされた部屋の中で人知れず、ひきこもりから抜け出す道を必死で探っていた。

出典:NHK 公式ホームページ

2本目は、同じく2020年に上映された「カンパニュラの夢」という映画です。宮地真緒さん、六角精児さん、山田ルイ53世さんらが出演し、さまざまな立場からひきこもりを考えられる作品になっています。

この作品は、二つの家族の視点で進行します。主人公の岸本麻帆はあることをきっかけに、「ひきこもり」は誰にでも起こり得ることだと気づきます。一方、20年以上ひきこもり状態にある谷口誠一とその両親は問題が長期化する中で、解決の糸口すら見いだせないまま苦悩しています。麻帆は谷口家の抱える問題に寄り添い、解決策を求め行動を起こします。

出典:横浜市 公式ホームページ

映画の魅力は、ストーリーを通じて、登場人物の喜びや悩みに触れ、共感すること。この映画祭で、無視されがちな社会課題であるひきこもりについて知り、温かく寄り添う気持ちを深めていただきたいと思います。

「ひきこもり映画祭 in ヨコハマ 2024」の概要

2024年1月19日(金)に行われる「ひきこもり映画祭 in ヨコハマ 2024」。2本の映画を無料鑑賞できる場所は、横浜市役所1階アトリウムです。アクセスは、みなとみらい線馬車道駅から直結、もしくはJR根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン桜木町駅から徒歩3分です。

上映時間は作品によって異なり、以下のスケジュールを予定しています。

  • 10:00~11:15 こもりびと
  • 11:30~12:10 カンパニュラの夢
  • 12:15~12:50 カンパニュラの夢
  • 13:00~14:15 こもりびと
  • 14:25~15:00 カンパニュラの夢

2本とも、一般向けにはレンタルされていない上映作品です。貴重なこの機会に、ぜひご覧ください。事前申込は要らず、入退場自由ですので、買い物や遊びに行った際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

【イベント概要】ひきこもり映画祭 in ヨコハマ 2024

  • 開催日:2024年1月19日(金)
  • 会場:横浜市役所1階アトリウム
  • 開催時間:10:00〜15:00
この記事を書いた人

  ライター名  御代 貴子
プロフィール 横浜に何かと縁があるフリーライター。幼少期の夏休みは横浜の親戚の家で過ごし、大学生活も横浜で送る。現在も神奈川県在住。東北の港町で育ったせいか、海辺の街並みが好き。趣味は飲酒しながらの料理。